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創業者 服部金太郎の精神

常に一歩先に

「すべて商人は、世間より一歩先きに進む必要がある。ただし、ただ一歩だけでよい。何歩も先に進みすぎると、世間とあまり離れて預言者に近くなってしまう。商人が預言者になってしまってはいけない。」
「自分は、他の人が仲間同志で商売をしているときに、外国商館から仕入れを始め、他人が商館取引を始めたときには、外国から直接輸入をしていた。他人が直輸入を始めたときには、こちらはもう自分の手で製造を始めていた。そうしてまた他人が製造を始めたときには、他より一歩進めた製品を出すことにつとめていた。」

急ぐな休むな

金太郎は人生の教訓を求められた時には、「急ぐな、休むな」と言っている。
「向上心は何処までも持っていて、一歩一歩少しずつでも急がず休まずに働いていった方がよい。」「無理に焦って仕損じるよりも、永く持続して飽かずたゆまずやっていく方がよい」
「急げば休まなければならぬ。休まず進まんとすれば急いではならぬ。」

良品は必ず需要者の愛顧を得る(精良な商品は繁栄の基礎)

金太郎は精工舎創業時から「精巧な時計を作る」ことを固く決意していた。製造会社を「精工舎」と命名したことにも並々ならぬ決意がうかがえる。
そして、良品こそが顧客の信頼をえて、事業が成り立つという強い信念をもっていた。
「精巧な良品づくり」こそが、日本に時計産業を興し、後世に事業残すという高い志を実現するもっとも大切な道であると考えていた。

(どんなに困難な時でも)必ず約束を守る

「私の店が開業後大層都合がよかったのは、横浜の外国商館が私の小さな店を信用して、何ぞ斬新なものとか、何ぞ珍しい時計でも来ると、他の店よりはまず私の店に売ってくれたということである。こういう次第で、私の店に来れば、比較的斬新な品もあり、品物も豊富にありということで、客足が多くなったのである。・・・(中略)・・・どうして外国商館が私の小さな店に多額の商品を融通してくれたかというと、つまるところ、支払をキチンとキチンとしたからである」

常識は利益の門戸を開く鍵なり

「安売りに巻き込まれず、品質を良くして利益の出る、やや高い価格を設定する」
(雑誌「実業之日本」の寄稿文「正直の二文字が発展の機会を作った余の実験」から抜粋)

創業の精神