Web企画展
セイコーのグッドデザイン①
「Gマーク」でおなじみの「グッドデザイン賞」。
輸出品のデザイン盗用問題をきっかけに、模倣を防止しオリジナリティのあるデザインを奨励するため、1957年旧通商産業省は「グッドデザイン商品選定制度」を創設します。その「グッドデザイン商品選定制度」を継承し、1998年から公益財団法人日本デザイン振興会が主催する事業として新たにスタートした総合的なデザイン評価制度が、「グッドデザイン賞」です。
ただ美しいデザインを奨励するのではなく、私たちの生活文化や社会へ与える影響も評価対象となる「グッドデザイン賞」ですが、1964年から現在まで多くのセイコー製品が受賞しています。当館所蔵品の中から、「グッドデザイン賞」に選定された代表的な製品をご紹介します。
1964年度
1963年発売
スポーツマチック・ファイブ(SM5)
腕時計で初めて選定された製品。「平面ダイヤル」や、「4時位置の見えないリューズ」といった当時はまだ珍しいデザインが特徴です。特に「3時位置のデイデイト(曜日・日付)一体窓」は、腕時計の“新しい顔”を生み出しました。シンボルマークの「ファイブワッペン」が付いた「ファイブ」シリーズは国内外で爆発的な人気商品となります。
1963年発売
クリスタルクロノメーター(QC951-1)
世界初の携帯可能なクオーツ時計。東京オリンピックの競技時計や、交通機関などの基準時計として活躍しました。銀色の文字板、灰色の前板、黒い箱体と、無彩色のグラデーションにより、高精度な標準計器としての性質を巧みに表現しています。
1965年度
1964年発売
1/10秒計 積算式ストップウオッチ(90ST 1/10)
東京オリンピックの計時のために設計・デザインされた機械式ストップウオッチは、一般用としても販売されました。視認性の高い文字板や、手に持った時に押しやすい「発進」「停止」ボタンの位置など人間工学に基づいた機能的なデザインは、時代を超えた魅力があります。
1975年度
1975年発売
発光式デジタルクロック(DL-301)
クオーツ化の過渡期の中で登場した、発光式デジタルクロック。どのような環境でも視認性を高める工夫として、光導電素子を使用。周囲の明るさの変化によって、自動的に発光する文字の明るさが調光されます。曲線的なフォルム、文字板の縁のシルバーが未来的な印象を与えています。
1977年度
1976年発売
ストップウオッチ(88ST)
これまで特殊用途であったストップウオッチを気軽に使用できるように、一般向けとして発売した製品です。操作のしやすさ、読みやすさはもちろん、日常的に使用できるように軽くて丈夫なプラスチックケースを採用しています。親しみやすいカラーリングも特徴です。