時計を身近にしたピン・レバー脱進機

スイス人のL・ペロンは、1834年に「ピンアンクル脱進機」を発明し、その後1867年に、同じスイス人のG.F.ロスコフが、ペロンの考案したピン式アンクルを使って安く作れる「ロスコフ脱進機(ピン・レバー脱進機)」を開発します。
クラブトゥ―ス・レバー脱進機と比較すると、ガンギ車の歯の形状が単純で、アンクルの摩耗を防ぐルビーの爪、そしてアンクルの振り石も、それぞれ金属製のピンで代用しています。

ピン・レバー脱進機
ピン・レバー脱進機

安価に作れるこの機構は、その後ピン・レバー・ウオッチとして普及しましたが、精度が低く、摩耗も速くて寿命が短いことから、使い捨て時計となり、その後クオーツ時計の普及とともに、ほぼ姿を消してしまいました。

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